動画フォーマットとテクノロジー
HTML5とFlashの比較
Flash
FlashはMacromedia(Adobeにより買収)によって開発された技術であり、もともとベクトルベースのWebアニメーションやフルアニメーションのWebサイトを作成するためのものでした。しかし作成したコンテンツを再生するにはプラグインのインストールが必要となるという欠点があります。Webブラウザにもプラグインをインストールする必要がありましたが、Flashにより実現されたインタラクティビティ性と壮観性は他の既存のWebテクノロジにはないものでした。また後に重要なプログラミング機能も追加されました。
特に強力なオンラインビデオ機能は全てのデスクトップコンピュータへ急速に普及し、ほぼどこにでも存在するようになりました(最大99%のプレゼンス)。ストリーミング、ハードウェアアクセラレーション、ユニバーサリティ(Flashプラグインを使用して、あらゆるWebブラウザ、あらゆるオペレーティングシステムで再生可能)などのオンラインビデオ再生機能などは、動画プレーヤーの開発に適したテクノロジになりました。インターネットのほとんどのオンラインビデオプラットフォームや動画ポータルサイトで使用されています。
そしてiPhoneが登場しました。iOSオペレーティングシステムを搭載したiPhoneの発売により、AppleはWebコンテンツを見るためのプラグインのインストールのサポートをやめることにしました。この決定は、モバイル機器のバッテリー寿命を縮める(Flashのような)独自のプラグインではなく、HTML5のような新しくオープンなWeb新興技術をサポートすることを好むという事実に基づいています(参照)。理由はどうあれ、iPhoneがほどなく非常にポピュラーなデバイスとなった事は事実です。
Flashサポートなしで同じオペレーティングシステム(iOS)を使用するiPod TouchとiPadも登場しました。数億にもなるiOSベースのデバイスの普及により、ほとんどのWebサイトでこれらのデバイスにコンテンツを表示するために新しいHTML5 Webテクノロジが使用されるようになりました。
Adobeがモバイル機器でFlashを利用可能にしようとし、Appleがそれを止めようとしたAdobeとAppleの間の「技術戦争」の顛末として、アドビは遂にHTML5のような新しいWeb標準のサポートへの参加を表明し、モバイル機器向けのFlashの開発を放棄することにしました。これに伴い、初期バージョンからFlashをサポートしていたAndroid(今日最も人気のあるモバイルオペレーティングシステム)もHTML5標準を支持し、バージョン4.1(Jelly Bean)以降のFlashサポートを廃止しました。
しかしながら、FlashがデスクトップコンピュータのWebブラウザでオンラインビデオを再生するために最も使用された技術であり続けた事は注目に値します。
HTML5ビデオ
WHATWG(※1)によるHTML5標準の開発は2004年に開始され、2007年にW3C(※2)によって承認されました。最初の公式ドラフトは2008年に公開されました。
HTML5は現在も進化し続けている標準規格ですが、主要Webブラウザでサポートされているだけでなく、その機能を享受できるほど十分に成熟しています。新規格の主なサポート企業はアップル社でしたが、Adobe社やGoogle社、マイクロソフト社のような他の業界大手もサポートを発表しました。
HTML5が提供する最も重要な機能の1つに、プラグインを必要としない動画再生のネイティブサポートがあります。これが、モバイル機器を中心としたFlashの理想的な代替テクノロジとなることを可能にした機能です。
※1)WHATWG:Web Hypertext Application Technology Working Group
※2)W3C:World Wide Web Consortium
INTER-STREAM上のHTML5ビデオ
特にモバイルでの動画再生のためのHTML5の重要性に着目しているINTER-STREAMでは、Flashビデオプレーヤーの他に完全なHTML5ビデオプレーヤーの利用を可能としています。
HTML5を使用すると、Flashプラグインを使用せずにHTML5とH.264/WebM対応のWebブラウザを使用して、iPad、Android 4.1などのスマートフォンやタブレットでINTER-STREAMを表示できるようになります。